人は日々生きていく中で成長し、ある程度まで成長すると、そのあとは老いていく。
子どものころは、社会の規範といったものに晒されている期間が短いこともあって、大人ならばやらないことを──まあ大人でも一部はやる人がいるけど──平気でやったりする。
とはいえ、子どものころ好きだったものが大人になっても好きだということは往々にしてあるし、逆も然りだと思う。
たとえば、私は子どものころは人参が好きだったけれど、大人になった今はあんまり好きではない。
カレーに人参が入っていたらテンションが上がっていた子どもだったけれど、今は全然テンションが上がらない。
ただ、今も変わらないなと思うのは、人付き合いに関してである。
正直なところ、私は人付き合いが苦手だ。
飲み会で楽しいと思ったことが一度もない。
毎回、始まって30分くらいで帰りたいなと思い始める。
何が楽しいのか、私には全くわからない。が、別にそれでいいと思っている。
楽しいと思う人もいるし、私のように楽しいと思わない人もいる。
それでいいのではないか。
で、中学、高校のときも飲み会はなかったけれど、打ち上げなるものがあった。
たとえば、文化祭のあと、クラスの打ち上げというものがあり、どこかのお店を予約して、クラスの大体が参加する。
ちなみに参加しない人もいたけれど、今思うと賢明な判断だったのだと思う。
私は、そういうのには参加するもの、という謎の意識があって、参加していたけれど、まあつまらなかった。
ずっと、こういう大人数が集まる場を楽しめない人間であるというのは、子どもの頃から変わらないな、と思う。
ただ、唯一変わった点──成長したともいえる──は、こういう大人数が集まる場にそもそも参加しなくなったことだ。
NOと言うようになった。
これで職場の空気が悪くなったりとか、嫌がらせをされたりとか、そういったことはない。
(まあ、飲み会を断った程度で苛つかれたり嫌がらせを受けたりするような会社は、さっさと辞めたほうがいいと思うけど)
NOと言うようになってからは、のびのびと生活できているように思う。